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Venture Capital Negotiationとマスターズ
今学期受講しているベンチャーキャピタルの授業で、タームシートのNegotiationを行うという宿題があったのですが、本日無事に提出を終えました。

この授業が非常に面白いというのは以前のエントリーでもお伝えしましたが、このNegotiationもなかなかためになりました。Negotiationの前提は次のとおり。
1. Founderは、半導体関係のベンチャーでの成功経験も持つStanford大学の元教授で、成功すれば革新的な技術となる新世代のultra-low-power memory chipの開発・ライセンスを行う会社を設立。
2.まずFounderは申請中の特許を評価額10百万ドルで現物出資して10百万株を有する普通株主に(この時点ではFounderの持株比率は100%)。
3. 今回のNegotiation以前に、既にベンチャーキャピタルA社がPre-Money Valuationを10百万ドルとして10百万ドルをA種優先株式として出資。出資の際に従業員用のStock Poolとして普通株2百万株が確保されている。A種優先株式(Series A Preferred)は1株0.833ドルとして12百万株発行(転換比率は当初1:1)。この結果、Post-Money Valuationは20百万ドルとなり、Founderは普通株10百万株(41.68%)、従業員用のStock Poolが普通株2百万株(8.33%)、A社がA種優先株12百万株(50%)を保有(持株比率はいずれも転換後(as converted)ベース)。
4. Founderは自身の申請中の特許を高く評価してもらい、10百万ドルという資金を確保するため、A種優先株式の内容として、4倍の参加型残余財産優先分配権(4X Participating Liquidation Preference)、単純方式(Full Ratchet)の希薄化防止条項(Anti-Dilution Provision)、会社による株式の買戻権(Reverse Vesting)に同意。
5. ところが、技術開発はFounderの思ったようには進まず、技術的困難に直面。これを乗り越えるには新たに10百万ドルの資金を投入した上で12か月の期間が必要に。元教授によると成功の可能性は80%。
6. ということで、会社はB種優先株式(Series B Preferred)を発行して10百万ドルを調達することに。しかしながら、応募してきたのはベンチャーキャピタルB社のみ。しかもPre-Money ValuationはMaxで15百万ドル(つまり会社の価値は従前の20百万ドルから目減りしている。交渉次第ではさらに下がるおそれも。)。

以上を前提に、学生が3人のグループを結成し、それぞれFounder、A社及びB社の代理人弁護士としてB種優先株式のタームシートの交渉を行うというのが宿題です。Assignment PackageにはA種優先株式の内容としてNational Venture Capital Associationが公表している標準タームシートを上記の内容でアレンジしたものも添付されていました。このタームシートの内容については、今学期の前半に数回に分けて解説があったほか、各条項の説明や条項ごとの最近の傾向についての統計などの資料が予習用の教材として配られていました。

今回、ぼくは、Founderを代理。Founderは技術開発の成功についてやや楽天的に考えていたようで、上記のとおりA種優先株式の内容はかなりFounderに厳し目です。これをどう押し戻しつつも、最終的に資金調達を成功させるかというのがFounderの立場です。Assignment Packageには、共通情報(Common Information)のほかに、それぞれの立場ごとに個別情報(Private Information)が与えられ、これを元に交渉を進めます。例えば、Founderの個別情報には、20%は完全な失敗、60%は100百万ドルでの買収、20%は300百万ドルでのIPOというFounderの予測(これまたExitに関しては楽天的な感じもあり、額面通り信頼できるかはまた問題。)や、少なくとも追加10%の従業員用のStock Poolが必要と考えているとか(これは無償なのでさらなる希薄化が進む。)、なるべく4倍の参加型残余財産優先分配権は引き下げたいとか(だったら前回もうちょっと頑張っといてほしかった。)、自己資金は出すのは最後の手段で出すとしても上限で7百万ドルとか(出さないと言っている割には太っ腹。結構持っています。)という情報が含まれていました。

交渉の過程は思ったとおり、Founderには厳し目で(こういうのって前回交渉が先例になるので初回って(次はないとそのときは思っていても)大事です。肝に銘じておこう。)、最終的に大成功というわけにはいかなかったのですが、何とか無事クローズにこぎつけました。交渉の過程で改めてタームシートの各条項の意味を真剣に考えることができましたし、エクセルを使って自分で作成したスプレッドシート上の数字をあれこれ動かしながら(結構循環参照になってしまったりして、エラーを修正するのに最初は時間がかかりましたが、計算式をしこしこいじるのは嫌いじゃありません。)、例えば残余財産優先分配権を下げると売却額いくらのときにはFounderの取り分はいくらになるという各条項のSensitivityが分かり、大変勉強になりました。出口戦略(Exit)というのはどうも投資銀行サイドの仕事と思ってしまいがちで、実際投資銀行がついている場合には弁護士にはそれほど多くの情報が回ってくるわけでもないですが、とりわけこういう転換権のくっついたエクィティ・ファイナンスの場合は、出口戦略がM&AかIPOかで大きく結果が変わってくる可能性もあるので、やはり各条項の意味を経済的観点からもよく理解しておくことが求められます。例えば、NVCAの標準タームシートによると、M&Aの場合はみなし清算(Deemed Liquidation)として各優先株式の残余財産優先分配権の程度によって配分額が決まるが、IPOの場合はIPO時に各優先株式が普通株式に強制転換されるので、転換後(as converted)ベースの持株比率が重要となることなどは、一旦理解すればそんなに難しいことではないですが、予備知識のない人が初めてタームシートを素読してすぐに理解できるというものでもないと思うんですよね。「案件のエコノミクスを知っておくべし」という点は、よく言われることですが、一朝一夕でできるものでもないと思うので、やはり日頃から経済的視点で考え、それがどう法律的にアレンジされるのかを検証するくせをつけていかなくては、と強く思った次第であります。

なお、ベンチャーキャピタルの授業では、自分ではおよそ収集することができなそうな有益な資料も沢山配布してもらって、これまたありがたやーという感じです。今日は、配布資料ではないのですが、ベンチャーキャピタルの優先株について勉強する過程で発見したサイトのリンクを貼っておきます。このサイト、各テーマごとに講義形式で丁寧に解説しているのですが、とりわけDilutionに関する記事(下の方の51-55)が秀逸。単純方式(Full Ratchet)と加重平均方式(Weighted Average)について計算方法の説明はいろいろな資料で目にしますが、後で発行価格より低い価格で株式を発行した場合のインパクトがどれほどのものかということを実際の数値を用いて解説したものはあまり見当たりません。従業員用のStock Poolを設定する際の計算方法など実践的なところにも触れつつ、基礎から丁寧に解説されており、おすすめです。これを読むと、Full Ratchetの破壊力が分かります。Founderに不利だということはよく言いますが、正直ここまでとは・・・。(注:これをエクセルで計算すると、恐怖のデフレスパイラル循環参照となるわけです。)興味のある方、ご一読を。

http://www.andrew.cmu.edu/user/fd0n/articles.htm

ということで、無事に一つ課題を終了したので、週末はマスターズを見ながら、でもマスターズだけ見ている訳にもいかないので次なる課題にも取り組もうと思います(卒業まで残り1か月を切って本当に沢山やることがあります。泣)。

マスターズ、テレビで見ていましたが、今年は風も強くグリーンも固く、難しいみたいですね。2日目が終ってトップが2アンダー、カットラインが8オーバー(スコアボードはこちら)。これだけのプロが1日で10オーバーとか打っているのを見ると、ちょっとしたことですぐスコアは落ちるけれども、上げて行くのは大変という感じです。上位選手は必ずしもメジャーどころではないですし、明日以降に注目です。個人的にはちょうどテレビを見ている時間帯(最終組)に出ていたというのもありますがJustin Roseに目が行きました。ぼくがいうのもおこがましいですが、上手になったというか、迫力が出てきたというか。今日はスコアを落としましたが、明日耐えて、1つでも2つでもスコアを上げられればチャンスはあるんじゃないですかね。

IMG_2693.JPG
IMG_2713.JPG
(毎年しつこいですが、2004年のマスターズ・ウィークの月曜日に練習ラウンドにいったときの写真です。もうあれから3年です。早いなあ。)
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ちょっとレスが遅くなりましたが、Stanfordロースクール留学中のtaka-m...
| isologue - by 磯崎哲也事務所 | 2007/04/12 8:03 AM |