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イギリスにおける株主の新株引受権(2)
【2006年イギリス会社法の新株引受権の部分は、原則として2009年10月1日からの施行となっており、現在はまだ1985年イギリス会社法の該当部分が適用されておりますが、本記事では、特に断りのない限り、2006年イギリス会社法に基づいた記載としました。】

前回に引き続き、今回は新株引受権の適用排除について説明します。

新株引受権の適用排除(Disapplication)
この新株引受権は、Private Companyであれば定款変更によって完全に排除することができます(法567条)。

また、Private CompanyでないPublic Companyの場合であっても、法551条によって一般的に株式の発行、新株予約権の付与などの権限を与えられている場合(generally authorised for the purpose of section 551)には、定款の定め又は特別決議によって、取締役に新株予約権を排除したり、修正したりする権限を与えることができます(法570条)。法551条の権限は、割当可能株式数の上限を示す必要があり(但し、上限は会社法上では決まっていない)、5年以内でなければならないので、新株引受権の排除もそれに従うこととなります。

さらに、会社は、法551条によって株式の発行、新株予約権の付与などの権限を与えられている場合(一般的か否かに限らず)、特別決議によって、取締役に特定の割当てについて新株予約権を排除したり、修正したりする権限を与えることができます(法571条)。

このようにイギリス会社法上は、新株引受権の適用排除に上限はないのですが、Pre-emption GroupというAssociation of British Insurers (ABI)、National Association of Pension Funds (NAPF)及び他の投資家からなる委員会が上場会社について、定期的・恒常的な新株引受権の適用排除については、毎年発行済み株式の5%の適用排除(3年間で7.5%の適用排除)のみを認めるというガイドラインを発表しています。このガイドラインには強制力はないようなのですが、上場会社は概ねこのガイドラインに従って、定時株主総会で発行済み株式の5%について新株引受権の適用排除を行うのが通例のようです。

なお、面白いのは、2006年会社法が授権株式の枠組みを撤廃したことです。(1985年会社法の2(5)条(a)の削除)(注1)。割当自由の原則をとる日本では授権枠が一応の外枠となっていますが、イギリスでは新株引受権の制約があるので、その外側にさらに授権枠を設ける必要はないということなんでしょうかね。

Listing Rules及びその他の規制
新株引受権の適用排除に関する同様のルールは、Listing Rulesにもあります(LR9.3.11RとLR9.3.12R)。加えて、Listing Rules 10は、上場会社による取引をClass 3(5%未満)、Class 2(5%以上25%未満)、Class 1(25%以上)、Reverse Takeover(上場会社自身による自己より大きい会社の買収その他上場会社の業務や資本構成を根本的に変更する取引)の四類型に分け、総資産、利益、取引価格、総資本の各数値を用いて計算される取引の規模によって分類される類型に応じて必要な手続を定めています。例えば、Class 1に分類されると、情報開示に加えて当該取引についての株主の承認を要求されます。仮にPre-emption Groupのガイドラインに反して一般的な新株引受権の適用排除を定めていたとしても、これによって極端な第三者割当には一応のチェック機能が働くとはいえそうです。(注2)

なお、イギリスでは、上場規則制定権を有するUK Listing AuthorityとしてのFSAと実際に上場管理を行うLondon Stock Exchangeが分かれているので、新株発行時には、FSAからAdmission to official list、LSEからAdmission to tradingを取得することとなります。上場会社が既に発行しているのと同種の新株を発行する時にもAdmissionが必要となりますが、どれだけの実質的審査がされるのでしょうかね(東証の場合も建前は上場申請書を出しますが、有価証券上場規定第302条によって原則として承認するものとされています。)。

(注1) 但し、既存の会社については、現行の発行可能株式総数が上限として機能します。
(注2) なお、企業買収時における取締役の中立義務(City Code: General Principle 3, Restriction on frustrating action (City Code Rule 21.1) )も、第三者割当の制約の一つと考えられますが、これについては別途時間があれば掘り下げたいと思っています。

参考文献:
Department for Business Enterprise & Regulatory Reform (通称BERR)のページ。2006年イギリス会社法の条文などを入手できます。
FSAのページ内の"Full Handbook-Listing, Prospectus and Disclosure"。上場規則、目論見書規則、開示規則の全文が各条文ごとに階層化されていて見やすいです。
www.practicallaw.com内の各種文献。購読が必要ですが、実務的な取り扱い、改正法についてのフォローなど、条文だけ見ていても分からない点が多くフォローされています。
河村賢治「英国上場規則における公開会社法―特に取締役・取締役会に関して―」(早稲田法学76巻4号(2001年))。Web上で発見。少し古いですが、イギリスの上場規制の枠組みを理解するには役立ちます。細かい規則の改正については、最新のルールをフォローする必要がありそうです。
| Business & Law | 21:27 | comments(1) | trackbacks(0) |
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コメント
拙ブログへのコメント&久しぶりの更新、ありがとうございます。大変勉強になりました。

実は、「イギリスでも、(資金調達目的の新株発行の場合には)、実務上は(時価)公募発行が一般的」と拙ブログに書いた後で気になっていたのですが、この点、ロンドンの実務がどうなっているのか、もしご存知でしたら教えていただけますと大変幸甚に存じます。

もう一度エントリーを拝読して、またリンク先にも当たってみようと思いますが、取り急ぎ御礼とご無理申し上げて失礼します。
| おおすぎ | 2008/01/22 9:17 AM |
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