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根抵当権の話
(説例)
A社は、貸金業を営むB社に対して10億円を貸し付けて金銭消費貸借契約を締結するとともに、B社が顧客に対して有する貸金債権について譲渡担保契約を締結し、動産債権譲渡特例法4条に基づく譲渡登記をして第三者対抗要件を備えました(登記通知による債務者対抗要件の具備は未了)。ところが、金銭消費貸借の弁済期が来る前にB社は民事再生手続の開始を申し立て、裁判所は民事再生手続の開始決定をしました。B社が顧客に対して有する貸金債権に根抵当権(譲渡担保契約締結時には元本は確定していないものとする)がついていた場合、どのような問題が生じるでしょうか。
(参照条文)
民法第三百九十八条の七  元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。

根抵当権の元本確定前に根抵当権者から債権を取得しても、根抵当権には随伴性がないので、債権だけが移転する、というのはどの民法の教科書にも書いてあります。これを逆に言うと、元本が確定した後の根抵当権は、通常の抵当権と同様に譲渡された債権に自動的に随伴するということです。ところが、何をもって「債権の取得」といえるかということについては、いろいろと文献を調べましたが明確には書いていないのです。そんなの債権譲渡担保契約を締結したときに決まっているだろうという方は、ものすごく常識人だと思います。でも、ちょっと考えてください。A社は、B社に対する10億円のローンの担保のために譲渡担保契約を結んだのです。担保を実効あらしめるために予め第三者対抗要件は具備しましたが、債務者対抗要件を具備するまでは、B社の顧客に対しては依然としてA社が債権者として債権を回収し、債権者として顧客である債務者に接している訳です(やや、マニアックですが、貸金業法24条2項に基づく書面交付などの義務も債務者対抗要件を備えて初めてトリガーされると解するのが多数説のようです)。ですので、当事者であるA社とB社の感覚では、債務者対抗要件を備えるために登記通知をした時点で確定的にA社に権利が移ると考えるのが普通なのではないでしょうか。と考えると、債務者対抗要件を備えるまでは「債権の取得」とはいえず、債務者対抗要件を備える前に(例えば根抵当権の元本を根抵当権者の請求により)元本確定させたら、根抵当権は元本確定後に債務者対抗要件を備えた時点で譲渡担保にとった債権と一緒に随伴するとはいえないでしょうか。

答えは、残念ながらNOのようです。根抵当権の元本確定後に被担保債権の譲渡があった場合には、抵当権設定者である譲渡人と譲受人の共同申請で元本確定後の抵当権の移転を登記できるのですが、登記所の実務では、根抵当権の元本の確定日と債権譲渡日(対抗要件具備の日ではない)を比較して、債権譲渡日が前の場合には登記を受け付けてくれないようです(その場合は、根抵当権の移転のために根抵当権設定者と根抵当権者と譲受人の三者の合意が必要)。この点は、司法書士の先生とも話をしたのですが、登記原因は「債権譲渡」となることもあって、登記実務としては当事者間の債権譲渡日をもって「債権の取得」とするのはかなり固まった運用のようです。これを避けるには、譲渡人と譲受人との間で別途元本確定日の後の日付で本来の債権譲渡契約とは別に原因証書となる覚書等を作成して登記所に提出するということも実務では行われていると聞きました。ただ、設例の場合は再生手続開始後になってしまうので、否認権を行使されると譲渡担保自体無効になる可能性もあり、かえってリスクを高めてしまうことになりかねません。

じゃあ、譲渡担保契約締結前に元本確定請求をしたらよかったかというと、実はこれもあまり現実的ではないんですよね。貸金業者にとって顧客に対して自ら元本確定するということは、もうビジネスはヤバイと言っているようなものですし、貸金業者以外でも債務者に対してはなるべく根抵当権は維持したいと思うでしょうから、相手方に対して抵当権を行使したいときや、自分自身がいよいよヤバイというときまでは、元本確定できないと思うんですよね。そうすると、やっぱり「債権の取得」は債務者対抗要件の具備時とすべきなのではないか、とも思ってしまう訳です。

ただ、今書いていて思ったのですが、譲渡担保ではなく債権質の場合はどうなるのでしょうかね。債権質の場合にも、債権譲渡登記は使えますし、契約上債権質の実行がどのように規定されているかにもよるかもしれませんが、この場合には登記実務上も質権実行=実行通知又は債務者対抗要件具備=その時点をもって債権譲渡と解することはできないのですかね。この点は、ちょっと調べてみることにします。

最近の経済事情を反映してか、倒産法がらみの仕事が増えています。債権者側から他の事務所が組成についてアドバイスをしていた担保付ローン債権をどう回収するかという相談を受けることもあるのですが、担保権の実行手続まで緻密に考えているものは残念ながら非常に少ないように思います。上記のような問題ももちろん考えておかなければならないのですが、一番大きいのは倒産債務者の「協力」の問題ですね。平時には協力を得られても、倒産してしまうと電話はつながらないし、仮に電話がつながってもよほどの大口債権者や大口担保権者でない限りきちんと対応してもらえることも期待できないので、倒産債務者の「非協力」を前提にした仕組みをきちんと作り込んでいるかが非常に重要になります。でないと、権利までは確保できても、実際には執行できなかったりもします。単純な不動産担保とかではきちんと押さえられていることが、大規模なシンジケートローンや流動化案件では意外におろそかにされているというのがおそろしいですが、倒産の場面というのはある意味契約条項のリバースエンジニアリングの機会でもあり、こういう機会を通じて倒産時のリスクを目の当たりにすることは大変勉強になります(元々のローン契約が自分たちのアドバイスした案件でなくてよかったと思うこともしばしばです。)。
| Insolvency law | 23:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
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